JFA熱中症対策

第2回 熱中症にならないために

練習前に以下のことをチェックしましょう。

 

1.環境について

気温をみて、練習時間帯の気温を予想しましょう。

湿度をみて、練習時間帯の不快指数を予想しましょう。

これらからWBGT(環境温度)が推定できます。

高温多湿でWBGTが高い場合は練習時間帯の変更や、練習時間を再考しましょう。

練習中いつでも水分が取れるようにしましょう。

日陰を確保しておきましょう。

 

2.選手の管理

起床時、目が覚めたら自分の「脈拍」を測定しましょう。80回/分以上だと脱水傾向であったり、身体の異変を現すことがあります。

十分睡眠が取れたかどうかを聞きましょう。寝不足は疲労を助長します。

起床時の体重を測定し、昨日の体重より減少していないかどうかをみましょう。

朝食をしっかり取っているかどうかをみましょう。また快食快便と言うように便秘や下痢(特に)していないかもチェックする必要があります。

気温に応じて水分を補給しましょう(水分補給の項参照)。

練習直前の体重を測定しましょう。

練習中はこまめに水分摂取の時間を取りましょう。この時、自分がどのくらい水を飲んだか記憶しておきましょう。

練習後も体重を測定し、練習前の体重より2kg(目安です)以上減少しているようであれば、次回から水分補給を多めにしましょう。

*少しでも身体の異常を感じたら指導者に進言しましょう、指導者は絶えず選手の動きを観察し異常の有無をチェックしましょう。


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熱中症対策ガイドライン.pdf
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熱中症ガイドラインについて<FAQ>.pdf
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サッカー活動中の落雷事故の防止対策についての指針.pdf
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メディカルインフォメーション

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熱中症の予防と応急処置.pdf
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「熱中症に対する知識を深め、適切な対処を」池田浩JFA医学委員長インタビュー

日本サッカー協会(JFA)は2016年3月10日の理事会で「熱中症対策ガイドライン」を策定した。

近年、夏場の気温上昇や猛暑日の増加により、日本全国で熱中症患者の発生が相次いでいる。サッカーでは、特に炎天下で行われることが多い国内競技会においてそのリスクが高いため、熱中症に対する知識を深めると同時に適切な対処方法を知っておく必要がある。

ガイドラインの目的は、選手や指導者、審判員、観戦者などサッカーに関わる全ての人の身の安全を守ること。大会や試合のスケジュールを規制するほか、当日の対策を定め、熱中症を未然に防ぐ取り組みを促す。JFA主催大会はもちろん、各地域・都道府県サッカー協会や各種連盟の大会でも運用し、周知・徹底していく考えだ。

ガイドラインの策定に伴い、JFA医学委員会の池田浩委員長に医学的な観点から熱中症対策の重要性や暑熱馴化、試合時の注意点、応急処置などについて話を聞いた。

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サッカーの水分補給

運動をする時には水分補給をしっかりと考えねばなりません。特に、サッカーは屋外で行われるスポーツですから、太陽の直射日光を浴びますし、練習時間も試合時間も長いので、運動量にともなって発汗量も多くなります。梅雨時の湿度の高いシーズン、そして夏場の炎天下の練習・試合では、熱中症などのリスクが高まります。正しい水分補給を覚えて、いつも元気にプレーするようにしましょう。

 

1)カラダは水でできている

水は、われわれ人間にとって、あらゆる物質の中で最も重要なものとされています。人間のカラダは、性別や年齢によって差はあるものの、体重の約60%が水からできています。その中でも筋肉は特に水分が多く、75%が水分なのです。つまり、筋肉やカラダが正常に動くためには、水が図1のように大事な役割を果たしているのです。

 

サッカーの動きひとつを取っても、体の中で神経が働き、筋肉が働いてその動きを実現します。その働きは、ほとんどが水分のある環境のもとで行われる化学反応です。また、ウォーミングアップをすると体が温まります。激しく動くとカラダは熱くさえなります。このようにサッカーの動きは熱を生じるので、体温を一定に保ってよい状態で運動し続けるには、汗、つまり水を用いてこの熱を体外に逃がす必要があります。そして血液、つまり水分が酸素や栄養素を運んでサッカーのスタミナを生み出し、一方で老廃物を運んで、肝臓と腎臓で尿をつくり、体外に排泄します。

 

ここに、シーズンによっては図2のように太陽熱や照り返し、気温や湿度などの熱ストレスが加わってカラダに負担をかけてきますので、汗や吐く息の水蒸気などで水分が奪われ、体内の水が減っていくというわけです。水分が減れば汗がかけなくなって、体温が上昇していきますので、熱中症のリスクが高まってしまいます。

 

2)水分補給のテクニック

水分補給のポイント

そこで、練習や試合の時には、必ず水分を用意して、快適に運動できるようにすることが望ましいでしょう。汗はただの水ではなく、塩分も混ざっていることを考えると、これらを含み、さらに脳のエネルギー源である糖分も含んだスポーツドリンクも用意し、水と使い分けます。水分補給のポイントを図3に示しておきます。

 

どのくらいの量を飲むかについては、運動の前後に体重を測定し、どのくらい汗をかいたかを計算してみましょう。例えば、水分を1リットル補給したのに、運動前より体重が1キログラム減っていたとすると、汗を2リットルかいたことになります。汗をかく量には個人差がありますから、一人ひとりが傾向を把握しておけば、自分で飲む量を加減できるようになります。

 

(文責:立教大学 杉浦克己)


リスペクト宣言

フェアプレーとは

1. 最善の努力

どんな状況でも、勝利のため、またひとつのゴールのために、最後まで全力を尽してプレーする。

 

2. フェアプレー

フェアプレーの精神を理解し、あらゆる面でフェアな行動を心がける。

 

3. ルールの遵守

ルールを守り、ルールの精神に従って行動する。

 

4. 相手の尊重

対戦チームのプレーヤーや、レフェリーなどにも、友情と尊敬をもって接する。

 

5. 勝敗の受容

勝利のときに慎みを忘れず、また敗戦も、誇りある態度で受け入れる。

 

6. 仲間の拡大

サッカーの仲間を増やすことに努める。

 

7. 環境の改善

サッカーの環境をより良いものとするために努力する。

 

8. 責任ある行動

社会の一員として、責任ある態度と行動をとる。

 

9. 健全な経済感覚

あらゆる面で健全な経済感覚のもとに行動する。

 

10. 社会悪との戦い

薬物の乱用・差別などのスポーツの健全な発展を脅かす社会悪に対し、断固として戦う。

 

11. 感謝と喜び

常に感謝と喜びの気持ちをもってサッカーに関わる。

1. ルールを正確に理解し、守る

フェアプレーの基本はルールをしっかりと知った上で、それを守ろうと努力することである。

 

2. ルールの精神:安全・公平・喜び

ルールは、自分も他人もけがをしないで安全にプレーできること、両チーム、選手に公平であること、みんなが楽しくプレーできることを意図して作られているのである。

 

3. レフェリーに敬意を払う

審判は両チームがルールに従って公平に競技ができるために頼んだ人である。

人間である以上ミスもするだろうが、最終判断を任せた人なのだから、審判を信頼し、その判断を尊重しなければならない。

 

4. 相手に敬意を払う

相手チームの選手は「敵」ではない。

サッカーを楽しむ大切な「仲間」である。

仲間にけがをさせるようなプレーは絶対にしてはならないことである。


JFAサッカー行動規範


グリーンカード制度

JFA は、U-12(4種)年代以下の試合において、グリーンカードの積極的活用を奨励しています。

 

サッカーは人生の学校です。この素晴らしいゲームは、楽しいばかりでなく、感情を呼び起こすものです。

負けた時には悲しみと涙、勝ったときには歓びと祝祭。

サッカーは教師です。

サッカーは少年少女に人生の徳と価値を学ぶ機会を与えます。

 

・チームとしてともに努力すること

・フィールド上で互いに助け合うこと

・常にフェアプレーを示すこと

・良いスポーツマンシップを示すこ

・怪我をした者を助け共感を示すこと

・敗者も勝者も称えること

・対戦相手、チームオフィシャル、レフェリーに敬意を払うこと

 

これらの価値感は全て家庭や共同体のメンバーの中での日常の生活にもあてはまるものです。

サッカーは、プレーヤーの身体面、社会面、心理面の要素の発達を助けます。

ゲーム世界中で毎日ひっきりなしに、無数の試合がプレーされています。

その大多数は楽しみのためのものです。レフェリーは、試合のルールの守り手です。

 

レフェリーは、ルールが尊重され全員がゲームを楽しめるようにします。

レフェリーにはイエローカードとレッドカードを使って、その行為がルールにどの程度、違反しているということをプレーヤーに伝えることを任務として与えられています。

これらのカードは、ある特定の選手等のネガティブな行動が、フェアではなく、どの程度許されないか、ということを説明するために示されるものです。

 

レフェリーはそれらを示し、フィールド上で 22名のプレーヤー全員に対しフェアとなるように努めています。

ポジティブな教育こどもたちがサッカーを始めたときから、我々は彼等にスキルを教えるとともに、「してはいけないこと」も教えます。

時として、トレーニングや試合でしてはいけないことの方に注意が払われることが見受けられますが、彼らがポジティブなことをしたら賞賛や感謝を示すべきです。

これが、グリーンカードの背景にある考え方です。

 

グリーンカードの意味は以下の通りです。

・それは良い行動である。その調子で続けなさい。

・ポジティブな行動を再確認、再強化する。

・ポジティブな教育である。

・認め、感謝し、もっとやるよう励ます。

・他の人が見本とすべき手本である。

・ファンやオフィシャルもあなたの行動を認め評価している。

 

グリーンカードは以下のような行為に対してに提示されます。

・怪我をした選手への思いやり

・意図していないファウルプレーの際の謝罪や握手

・自己申告(ボールが境界線を出たとき:スローイン、CK、GK、ゴール)

・問題となる行動を起こしそうな味方選手を制止する行為

・警告も退場も受けず、ポジティブな態度を示す。

 (レフェリーは試合終了の笛を吹く際に、チームベンチに向かってカードを提示する

JFAはグリーンカードの積極的活用を通じて、フェアプレーを広めていきます。